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根岸 潔 先生

担当教科:理科(地学)
田無高校:1983(昭和58)年 〜 1994(平成6)年
秋川高校:1995(平成 7)年 〜
趣味:天体観測と渓流釣り

――現任校はどこでしょうか?

「都立秋川高校です。この学校は平成13年3月に閉校します。」

――趣味はなんですか?

「天体観測と渓流釣り。渓流釣りは第一期の担任の星先生のお宅に、川島先生(社会科)や生徒(一期生)二人とともに釣りに行ったのがきっかけです。天体観測はもう歳ですので、年に数度ぐらいしか行きません。その内、夏の観測は田無高校の天文部OBと一緒です。」

――高校時代はどんな学生でしたか?(部活の事など)

「田無高校では偉そうにしていましたが、高校生の時は・・・で、生徒部のお世話になったこともあります。そのことが原因で、私の長い生徒部所属が始まったのですが・・・。といって悪い生徒だったかかと言うとそうではなく、どちらかというと落ち着きのない生徒で、"おたく"の類だったと思います。高校では天文部がなかったので、「天文・気象同好会」というのを創設しました。そして、最初に赴任した学校がその母校でしたので、部に昇格させ、今日に至っています。田無の天文部のOBとは例年、飲んだり観測に行ったりしていますが、同様に母校の天文部のOBとも現在も交流があります。」

――教師としていじめや学級崩壊といった問題についてどう思いますか?

「いじめは人を大切にしない心の現れととらえ、今日の心の教育のゆがみが出たものと考えます。今後、家庭や社会とともに考えて行かねばならないことと考えます。学級崩壊は現在勤務している学校にも見られ、授業に行くと最初に床に寝ている生徒を起こし、授業中は釣り竿を持ってウロチョロする生徒や隠れんぼする生徒を鎮め、・・・です(本当は私が釣り竿を持ってフケたいんですけど・・・)。でもよく考えてみると、彼らは学校の中に落ち着ける場所がない、そして一人ひとりが認められたいとあがいているのを感じています。我々はもう少し、彼らにとって自己実現できるの場を、考えてあげなければならないと思うようになりました。」

――教師としての信念(ポリシー)はありますか?

「教科のテストで良い点を取る生徒より、人間としての成長を促す教師になりたいと思います。また、教育の現場では、生徒と教師の心と心のぶつかり合いも大切だと思います。思い切ってぶつかり合い、論争し合えば、教科書からでは得られない何かが得られると思います。しかし、この場合も、一定のルールは必要ですが。」

――教えている教科でこれだけは生徒に覚えて欲しい事はどのようなことですか?

「宇宙は広大で神秘に満ちていると同時に、美しいものだということ。」

――教師としてのこれからの抱負を御願いします。

「田無高校では教科教育の研究を多く行いました。これからはこの教科研究を離れ、より広く教育をとらえ、高校教育の改善に向けて、考え、行動していきたいと思います。」

――卒業生に一言御願いします。

「OBと長く交流を通して心を痛めるのが、世の中の不景気の波にもまれている姿を見ることです。おそらく他の卒業生も、この影響を受けている人も多いと考えますが、荒波を乗り越えて幸せな生活をしてほしいと願っています。そして、目の前より将来の自分を見つめ、一日一日を一歩一歩確実に歩んでいってほしいと希望します。」

<取材>伊藤 敦(10期)